top of page

経団連のDXレポートを解説!いま企業が知っておきたいこと(第2章 企業DX 前編)

  • 執筆者の写真: 大地 中本
    大地 中本
  • 2024年11月12日
  • 読了時間: 6分

更新日:1月16日

こんにちは!NEXT-DXです!

今回は、企業DXのキーとなる「協創」,組織全体の方向性を司る「経営」,

DXを推進する「人材」、具体的に作るべき「組織」体制や文化、「技術」的基盤の整備

といった要素ごとに戦略と実行の方向性を整理していきます。

日本経済団体連合会(経団連)に記載されている(DX~価値の協創で未来をひらく~)の要点を説明するので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。


この記事と(後編)でわかること

1.協創

社会全体でDXを促進すること。本記事で解説します。

2.経営

DXを促進する経営の在り方。本記事で解説します。

3.人材

経営を支えるにはどのような人が必要か。詳細は次回記事で解説します。

4.組織

DX促進組織の形態、手法。詳細は次回記事で解説します。

5.技術

DXを実現する技術、観点。詳細は次回記事で解説します

1-1.協創

「協創」とは企業が単に業務上の協力をするだけでなく、消費者の視点から価値を提供し、社会問題を解決するために手を組む新しい形の提携を指します。

具体的には、以下の要件を満たすものと定義します。


①同業他社とも協創可能な領域を見出し、共にマーケットを拡大していく姿勢

独立した2つ以上の主体同・異業種、大・中小企業、新興・既存企業、顧客、アカデミア、国・地方自治体、その他のステークホルダー(利害関係者)も含めて業種や規模にかかわらず多様かつ複数の主体間でオープンに行うことが想定されます。

②パートナー同士の対等な関係

各主体が生活者価値実現を目的として、パートナーと対等な立場で自主的に連携するものとします。企業の規模や受発注関係等にかかわらず、対等な関係を築いていくことが協創を進めるうえで重要です。


③互いの有するリソースやリスクの共有

資金、人材、技術、ノウハウ、ビジネスモデル、アイディア、販路、データなど


④DXの活用

DXとまったく無関係なものは除きます。


⑤共通のビジョンを持つ主体同士がDXを通じて生活者の価値実現や社会課題を解決

単なるコスト削減を目的とするようなものは含まないが、その果実が生活者に還元される場合は生活者価値の実現に資すると考えます。労働者の安全確保、環境への負荷軽減等も、生活者価値に含まれます。


1-2.協創の方法とは

サービス・製品による協創

  • 各企業が持つ独自のサービスや製品を活用し、顧客に価値ある統合的サービスを提供する方法です。

  • API連携などを利用して、複数の企業が提供する商品・サービスを組み合わせて生活者に新しい価値を提供します。

データによる協創

  • 各企業が持つデータを相互に流通・活用することで、生活者に価値を提供する方法です。

  • 個人データの活用や情報銀行の活用など、データの流通を促進する仕組みも考えられます。

人材による協創

  • DXやデジタル分野の専門知識を持つ人材が、企業間で相互支援や交流を通じて新しいサービスや事業を創出します。

  • 業務委託や出向、共同事業会社設立などの形で、企業間で人材を融通しながら生活者価値を提供します。


これらの協創手法は(多様な主体が参画・生活者価値や目的を明確化・リーダーシップを発揮・コミュニケーションを図り適切なガバナンス体制を構築)することで実現可能だと考えられます。

業界アライアンス(alliance=同盟)やデジタルプラットフォームの形成など、これらの協創は組織や業界を越えて進められ、経済界全体でリードしていくことが重要です。

2-1.経営

協創に向けた変革を行ううえで最も重要な要素が「経営」です。

経営者は以下の5つの要素から事業戦略を策定し、それに合わせた手法を用いて変革を進めていく必要があります。


①DXについての理解と覚悟

協創を軸とした産業構造のDXの方向性について理解すること、そして現在の事業構造を破壊的に変革する覚悟を決めることを覚悟しておく必要があります。

②経営ビジョンの明確化と協創の先導

DX時代に自社が進むべき道筋や存在価値を経営ビジョンとして明確化し、自ら社内外に発信し、協創を先導していく必要があります。

③新技術・新事業に関する知見

最先端技術やイノベーションなど、新しいモノへの知見が必要です。

④軸の転換

自ら新たな時代への軸の転換を定めて置く必要があります。

⑤迅速な判断と行動

軸の転換に基づく戦略を立てること、またそれに伴う組織体制を整備しておく必要があります。


2-2.事業戦略

上記の要素について理解したら次に、経営の軸の転換に伴う具体的な事業刷新の戦略策定が必要となります。業種業態等によって異なりますが、各社を事業領域(市場・社会ニーズ)・資産に分けると下記区分になります。

  • 既存領域(既存×既存)・派生事業(既存×新規)・新規領域(新規×新規)

  • 既存資産・新規資産(各社が展開する商品・サービス・技術等)


DXを実現するには、既存事業の改革、派生事業の展開、新規事業の創造といった事業刷新を進めることが必要となります。


引用:経団連 Digital Transformation (DX) ~価値の協創で未来をひらく~ P19
引用:経団連 Digital Transformation (DX) ~価値の協創で未来をひらく~ P19

既存事業:デジタルを活用して生産プロセス等を抜本的に改革し、生産性を向上させること


派生事業:コア領域において新たな軸で事業を展開&既存アセットを活用して新規市場に展開


新規事業:0を1にするような新たなビジネス軸


第1章2.「DXの定義」で述べたように、既存事業の改革のみではDXとは言えません。

特に重要なのは、新規事業と派生事業です。


2-3.事業刷新の手法

各企業が協創を通じた事業刷新を進める際に活用する手法としては、いくつか代表的なものが存在します。



引用:経団連 Digital Transformation (DX) ~価値の協創で未来をひらく~P20
引用:経団連 Digital Transformation (DX) ~価値の協創で未来をひらく~P20

新たな事業に進出する手法として、最も多額の資金を要するものには外部企業のM&Aがあります。次いで、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)による外部企業への投資、VC(未上場企業)への投資、自社によるアクセラレーター・プログラム、マッチング、アイディアソン、ハッカソンなどがあります。

また、こうした取り組みを支える組織文化を醸成するための、最も基礎となるものには社内イノベーション研修があります。そして、その中から有望な人材を発掘する企業内起業プログラムやイントレプレナー研修なども含まれます。

どの手法を採用するかは、各企業の置かれた状況や進めようとする事業戦略によって異なります。各々の戦略に最適な手法を選択し、組み合わせて実施するべきです


まとめ

「協創」と「経営」についての解説でした。自社だけでなく社会全体のことを考えてDXを行っていくのはものすごく大変そうですね、、、

次回は「人材」「組織」「技術」について解説していきます!

最後までご愛読ありがとうございました。

弊メディアでは、DXに関する情報を取り扱っています。

記事に対する質問・相談に関しては、トップページの「お問い合わせ」よりご連絡ください。




コメント


bottom of page